ひこまる「お師匠、いよいよ『世界の始まり』ですね。 最初はどんな感じだったんでしょうか。何もない真っ暗な空間ですか?」



「ふっふっふ。古事記にはこう書かれておる。 『天地(あめつち)初めて発(ひら)けし時』……とな。 最初は、空と海と地面がごちゃ混ぜになった、ドロドロの油のようなスープ状態じゃった。」



「スープ……ですか。 なんだか神々しさがあまりないですね。」
1. 現れては消える!? 最初の神様たち



「そのスープの中から、スッと現れたのが最初の神様たち、『別天津神(ことあまつかみ)じゃ! 全部で5柱(ごはしら)おるぞ。」
- 天之御中主神(アメノミナカヌシ)
- 世界(宇宙)の中心にいる神様。
- 高御産巣日神(タカミムスビ)
- 万物を生成する神様(※やたまるの直属の上司)。
- 神産巣日神(カミムスビ)
- 万物を生成する神様。
- 宇摩志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコジ)
- 泥の中から葦(あし)のように萌え出た生命力の神様。
- 天之常立神(アメノトコタチ)
- 天(高天原)が永久に存在することを象徴する神様。



「うぅ……ウマシ…アシカビ…ヒコジ…?
漢字が多すぎます、お師匠。これ、全部覚えないとダメですか……?」



「喝(かつ)!! シャキッとせんか!この中で特に偉い最初の三柱を『造化三神(ぞうかのさんしん)』と呼ぶ。これだけ覚えておけばよい!特に2番目の『タカミムスビ』様は、吾輩(八咫烏)を地上に遣わした直属の上司じゃからな! ここだけは赤線を引いておくように!」



「はぁ……また上司自慢ですか。
わかりました、タカミムスビ様だけは覚えますよ。(棒読み)」
2. ミッション:漂う大地を固めろ!



「さて、最初の神様たちは姿を隠してしまった。 そこで登場するのが、皆もよく知るイザナギ(男神)とイザナミ(女神)じゃ!」



「やっと知っているお名前が出てきました。 このお二人が、この世界を作っていくんですね。」



「二人は偉い神様から、ある重要なミッションを与えられる。『この漂っている国を、しっかりと固めて作りなさい』とな。 そして授かったのが、伝説のアイテム『天の沼矛(あめのぬぼこ)』じゃ!」



「矛(ほこ)で国を作る……。 どうやって使うんですか? 戦うわけじゃないですよね。」



「二人は天にかかる橋(天の浮橋)に立ち、矛を海に突き刺して『こおろこおろ』とかき混ぜたんじゃ。 そして矛を引き上げた時、ポタポタと落ちた塩が固まって島になった。 これが最初の島、『オノゴロ島』じゃ!」





「かき混ぜた塩が島になるんですか……。 意外と力技というか、ダイナミックな作り方なんですね。」
3. 結婚の儀式:まさかの大失敗!?



「島ができたので、二人はそこに降りて結婚することにした。 巨大な柱の周りを、イザナギは左から、イザナミは右から回って、出会ったところでプロポーズするんじゃ。」



「へぇ、ロマンチックですね。 どんな言葉をかけたんですか?」



「イザナミ(女)から先に『あなにやし、えおとこを(まあ、なんて素敵な男性でしょう)』と声をかけ、結ばれたんじゃ。 ……ところが、これが大失敗じゃった。」



「えっ……失敗? 相手を褒めただけなのに、何がいけなかったんですか?」



「生まれた子供(ヒルコ)は、骨のないフニャフニャの子じゃった……。 神様たちは占いをして原因を突き止めた。『女性から先に声をかけたのが良くなかった』とな。」



「そんな……。 女性が先に声をかけただけで子供が育たないなんて、古代のルールは厳しすぎませんか……。」



「まあ、儀式の手順は絶対ということじゃ。 気を取り直して、今度はイザナギ(男)から声をかけてやり直したところ、無事に元気な島が生まれたんじゃ!」


4. 国生みラッシュ:淡路島から日本列島へ



「やり直しで最初に生まれたのが、今の『淡路島』じゃ! そこから四国、隠岐、九州……と次々に島を生んでいき、最後に本州が生まれた。 これが『大八島国(おおやしまぐに)』、つまり日本の原形じゃな。」



「淡路島が長男だったんですね。 こうやって僕たちの住む日本列島が形作られたのかぁ……。勉強になります。」
5. 悲劇の結末:火の神様の誕生



「国ができた後は、山や川、風や木など、自然の神様たち(神生み)を次々と生んでいく。 順調に見えた二人の生活じゃが……ここで最大の悲劇が起こる。」



「……嫌な予感がしますね。何があったんですか?」



「最後に『火の神(カグツチ)』を生んだ時、イザナミは大火傷を負ってしまい……そのまま死んでしまったんじゃ。」





「えっ、亡くなってしまったんですか……? まだ物語は始まったばかりなのに……。」



「神様といえど、命がけなんじゃよ!! 愛する妻を失ったイザナギは泣き叫び、怒って我が子のカグツチを剣で斬り殺してしまった。 ……まさに、泥沼のバッドエンドじゃ。」
まとめと次回予告:死者の国へ



「国生みって、もっと明るい話だと思ってました。 最後が悲しすぎますよ、お師匠……。」



「ふっふっふ、物語はここでは終わらんぞ。 諦めきれないイザナギは、死んだ妻を取り戻すために、禁断の地『黄泉の国(よみのくに)』へ向かう決意をするんじゃ! 次回、衝撃のホラー展開が待っておるぞ!」



「ホラー展開って……お師匠、なんだか楽しんでませんか? 奥さんを亡くしたばかりなんですから、もう少し慎んでください。」



「まあまあ。悲しい話をして腹が減ったからのう。 続きを聞きたければ、みたらし団子を持ってくるのじゃ!」



「はぁ……結局そこなんですね。 わかりました、次回『黄泉の国編』もよろしくお願いします。」



ゾンビ映画もびっくりのホラー展開が待っておるぞ。心して読むのじゃ!



でも、イザナギさんがどうなるか気になるので読みます!
▼ この物語の続きはこちら
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【第1ステージ/第2話】恐怖の黄泉の国と、三貴子の誕生(次のお話)
イザナギが見た妻の姿とは? アマテラスはいかにして生まれたのか? -
【第2ステージ/第1話】アマテラスとスサノオの姉弟喧嘩
日本神話の主役たちが登場! ここから物語は一気に盛り上がります。 -
【復習】日本神話の全体像(3つのステージ)
「あれ? 今どこの話だっけ?」と迷ったらこちらに戻りましょう。


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