ひこまる「お師匠! 前回、小さな神様スクナビコナとの別れもありましたが、ついにオオクニヌシさんの国作りが完了しましたね! これで日本は平和そのものです!」



「……と言いたいところじゃが、ここで史上最大の『ちゃぶ台返し』が起きる。 天界(高天原)から見ていたアマテラスが、完成した国を見てこう言ったんじゃ。 『あら、いい国になったわね。あの国は私の息子が治めるべきよ。返してもらいなさい』」



「ええーっ!? 完全な横取りじゃないですか! 苦労したのはオオクニヌシさんなのに、理不尽すぎます!」
1. 使者が使い物にならない問題



「アマテラスは早速、使者を派遣した。 しかし、最初の使者(アメノホヒ)はオオクニヌシの人柄に惚れ込んで家来になってしまい、3年間連絡なし。 次の使者(アメノワカヒコ)も、オオクニヌシの娘と結婚して住み着いてしまった。」



「オオクニヌシさん、人たらしすぎますね……。 誰も帰ってこないじゃないですか。」



「業を煮やしたアマテラスは、ついに『武力行使』に出る。 遣わされたのは、剣と雷の神様、タケミカヅチ(建御雷神)じゃ! こいつはマジで強いぞ。」
2. 剣の上にあぐら!? 恐怖の交渉スタート



「タケミカヅチは出雲の国に降り立つと、持っていた十拳剣(とつかのつるぎ)を波の上に逆さまに突き刺し、なんとその剣の切っ先にあぐらをかいて座ったんじゃ!」



「ええっ!? 剣の先っぽに座ったんですか!? 物理法則を無視してますし、お尻に刺さりますよ!?」



「それくらいのバランス感覚と度胸があるという威嚇(いかく)じゃな。 そしてオオクニヌシにこう迫った。 『アマテラス様が国を返せと言っている。イエスかノーか!?』」
3. 長男の即答と、柏手(かしわで)の起源



「オオクニヌシは『息子たちに聞いてくれ』と答えた。 タケミカヅチは、美保の関(みほのせき)で釣りをしていた長男のコトシロヌシ(事代主)の元へ行き、『父はこう言っているが、お前はどう思う? 国を譲るか?』と迫ったんじゃ。」



「剣の先にあぐらをかくような神様に迫られたら……怖すぎますよ。」



「コトシロヌシは、タケミカヅチの圧倒的なオーラに恐れをなしたのか、 『恐れ入りました。この国は差し上げます』と即答した。 そして、乗っていた船を踏んでひっくり返し、パンパン!と手を打って(逆手)、海の中に作った神聖な場所へ隠れてしまったんじゃ。」



「へぇー! この時の『手を打つ動作』が、神社でお参りする時の『柏手(かしわで)』の起源と言われているんですね! とにかく、長男はあっさり降参してリタイアしたわけですね。」
4. 次男タケミナカタ登場! 日本初の「相撲」



「しかし、黙っていないのが力自慢の次男、タケミナカタ(建御名方)じゃ! 巨大な岩を手で持ち上げながら現れ、こう叫んだ。 『誰だお前は! 俺と力比べ(相撲)で勝負しろ!』」



「おおっ! 少年漫画の展開ですね! 力自慢同士のバトル、どっちが勝つんですか?」



「タケミナカタが、タケミカヅチの手をガシッ!と掴んだ瞬間…… タケミカヅチの手が、カチカチの『氷の柱』に変わり、次は鋭い『剣』に変わったんじゃ!」



「ひえぇ! 手が剣に!? 掴んだ方が怪我しちゃいますよ!」



「驚いて手を離した隙に、今度はタケミカヅチがタケミナカタの手を握りつぶし、葦(あし)の草のように軽々と投げ飛ばした! タケミナカタ、完敗じゃ。」
5. 諏訪(すわ)への逃亡と、国譲り成立



「恐れをなしたタケミナカタは、出雲から長野県の諏訪湖(すわこ)まで逃げ出した。 タケミカヅチが追い詰めると、『もう出雲には戻りません! この場所から一歩も出ません!』と命乞いをして許されたんじゃ。」



「それが今の『諏訪大社(すわたいしゃ)』の始まりなんですね! 諏訪の神様がここから出ないのは、そんな理由があったとは……。」



「二人の息子が負けたことで、オオクニヌシも覚悟を決めた。 『国はお譲りします。その代わり、私の住まいとして、天の神と同じくらい立派な宮殿を建ててください』と条件を出した。」



「それが島根県にある『出雲大社(いずもおおやしろ)』なんですね! ちゃんと交換条件があったんだ。」
まとめと次回予告



「こうして、日本の『政治(目に見える世界)』はアマテラスの子孫(天皇)が、 『神事(目に見えない世界)』はオオクニヌシが治めることになったんじゃ。」



「なるほど、役割分担をしたんですね。 これで日本神話も、いよいよ人間の時代になるんですか?」



「そうじゃな。次回から『第3ステージ』、天孫降臨(てんそんこうりん)編のスタートじゃ! アマテラスの孫、ニニギノミコトが地上に降りてくるぞ。 ……が、またしても道案内で変な神様が登場するんじゃがな。」



アマテラスの孫「ニニギノミコト」がついに地上へ降りるぞ!
道案内をするのは、鼻が長〜い天狗のような神様「サルタヒコ」じゃ!



でも鼻が長いって……また個性的な神様が出てきそうで楽しみです!
▼ この物語の続きはこちら
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【第3ステージ/第1話】天孫降臨と道案内の神サルタヒコ(次のお話)
アマテラスの孫が地上へ! 天狗の神様と、アメノウズメの再登場。 -
【第2ステージ/第5話】手のひらサイズの相棒!スクナビコナと国作り(前のお話)
オオクニヌシと凸凹コンビで日本を豊かに! 小さな神様の活躍。 -
【復習】日本神話の全体像(3つのステージ)
「あれ? 今どこの話だっけ?」と迷ったらこちらに戻りましょう。


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