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今につながる昭和|働き方・企業文化のルーツ

「日本の働き方」は、いつから今の形になったのでしょうか。
長時間労働、会社中心の生活、年功序列、終身雇用、飲み会文化、転勤――。

もちろん、今は少しずつ変わりつつあります。
けれど私たちが「日本っぽい」と感じる働き方や企業文化の多くは、突然生まれたものではありません。

そのルーツをたどると、やはり 昭和(1926〜1989) が見えてきます。
戦争と復興、そして高度経済成長の中で、会社と社会の関係が作り直され、
「働くこと」の意味が日本の生活の中心へ入っていきました。

この記事では、昭和の流れを追いながら、
今につながる働き方・企業文化がどう形づくられたのかを整理します。


目次

先に結論|昭和で固まったのは「会社が生活の中心になる仕組み」

昭和が今の働き方に与えた影響は、次の3点に集約できます。

  • 復興と成長のために、会社が“生活の受け皿”になった
  • 企業が人を長く抱え、育て、守る代わりに強い帰属を求めた
  • 国全体が「生産性・安定・集団」を重視する方向へ傾いた

言い換えると、昭和で固まったのは
**「会社=働く場所」ではなく「会社=人生の土台」**という感覚です。


昭和の働き方は「3段階」で形になった

昭和は長い時代です。働き方のルーツを見るなら、次の3段階に分けるとわかりやすいです。

① 戦時期:国家総動員で「働く」が統制される

戦争が進むと、労働は“個人の選択”より“国家の都合”へ寄っていきます。
人・物・時間が戦争のために動員され、働くことは社会全体の義務に近づきました。

この時期の特徴は、
「個人より組織」「自由より目的」が優先されやすい空気が強まったことです。

② 終戦直後〜復興期:生活を立て直すために「働く」が最優先になる

終戦直後は、とにかく生活を回さなければいけません。
食べる、住む、学ぶ、働く――その再建の中で、会社や職場は生活を支える存在になります。

戦後復興の流れを先に押さえると、なぜ「働く」が社会の中心になったかが見えます。
戦後復興とは?焼け野原から立ち上がった理由

③ 高度経済成長期:企業中心の仕組みが「標準」になる

成長が加速すると、企業は大量に人を必要とします。
そこで生まれたのが、長く働き続けることを前提にした雇用慣行です。


今につながる企業文化①|終身雇用と年功序列が広がった理由

昭和の成長期に広がったのが、終身雇用と年功序列です。
これが“良いか悪いか”の前に、なぜ広がったのかを整理すると納得しやすいです。

なぜ広がった?

  • 企業が人材を長く育てたかった(教育と技能が必要)
  • 労働市場が今ほど流動的ではなかった
  • 会社が生活を支える役割を担った(住宅・福利厚生など)
  • 長期で働くほど報われる仕組みが、安定を生んだ

ここでのポイントは、終身雇用が「美徳」だけで広がったのではなく、
成長と安定のための合理性として機能していた面があることです。


今につながる企業文化②|会社への強い帰属(会社人間)が生まれた理由

会社が人を守る仕組みが強くなると、会社は「生活の拠点」になります。
すると自然に、帰属意識も強まります。

  • 会社が家族の生活を支える
  • 会社がキャリアを決める
  • 会社が人間関係の中心になる

この構造の中で、個人の自由より会社の都合が優先されやすい文化も生まれます。
「会社のために頑張る」が、社会の標準になりやすかった時代です。


今につながる企業文化③|長時間労働が当たり前になった背景

長時間労働は、単に根性論だけで広がったわけではありません。
成長期の日本では、次の要素が重なりました。

  • 成長のスピードが速く、仕事が常に増える
  • 人手不足の場面も多く、現場が回らない
  • 「残る人がえらい」「頑張る人が評価される」空気
  • 組織の目標が個人より優先される文化

成果が出ると、そのやり方が“成功の型”として残ります。
その結果、長時間労働が「当たり前」として固定されていきました。


今につながる企業文化④|転勤・配置転換が普通になった理由

日本の企業文化の特徴として、転勤や配置転換があります。
これも昭和の成長期に広がった要素のひとつです。

  • 全国に拠点を持つ企業が増えた
  • 会社の都合で人を動かし、組織として最適化する必要があった
  • 幹部候補を育てるため、職種や地域を経験させる仕組みが作られた

つまり転勤は、個人より組織の効率を優先する仕組みとして成立しやすかったのです。


今につながる企業文化⑤|「飲み会」「根回し」「空気を読む」が強くなる理由

昭和の企業文化では、仕事は「個人技」より「チーム」で進める場面が増えます。
そのとき重要になるのが、表に出ない調整です。

  • 事前に話を通す(根回し)
  • 反対を表でぶつけず、合意を作ってから進める
  • 空気を読んで衝突を避ける

これらは、うまく回るとスムーズですが、
固定されすぎると「言いにくい」「変えにくい」文化にもつながります。


昭和の働き方が生んだ“強み”と“弱み”

昭和型の働き方は、今も評価が分かれます。
ここは一方的に否定するより、強みと弱みをセットで見るとわかりやすいです。

強み

  • 雇用の安定が生活の安心につながった
  • 企業が人材を育て、技能が蓄積した
  • 組織力で大きな仕事を進めやすかった

弱み

  • 長時間労働が固定されやすい
  • 個人の自由や多様性が後回しになりやすい
  • 変化に弱くなりやすい(前例・空気・根回し)

まとめ|「今の働き方」は昭和の成功体験の上にある

今につながる昭和のルーツを一言でまとめるなら、

  • 復興と成長の中で、会社が生活の中心になった
  • 企業が人を守る代わりに、強い帰属と長期勤務を求めた
  • その成功体験が“標準の働き方”として残った

という流れです。

今の働き方を考えるとき、昭和を知ることは
「昔を懐かしむ」ためではなく、
なぜこうなったのかを理解し、変え方を考えるために役立ちます。


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