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不良債権問題とは?バブルのツケが金融危機へつながるまで

目次

「景気が悪い」ではなく「お金の回り道」が壊れた

バブル崩壊のあと、日本は長く“回復できない不況”に入ります。
その中心にあったのが 不良債権問題――つまり、銀行が貸したお金が返ってこなくなる(返ってこない可能性が高い)債権が積み上がり、金融システム全体が弱っていった問題です。 

ここでは「不良債権とは何か」から、「なぜ金融危機まで行ったのか」を、平成の流れで理解できる形にまとめます。


3行でわかる結論

  • 不良債権問題=バブル崩壊で資産価格が下がり、返済が難しい貸出が増え、銀行の経営体力が削られた問題。 
  • 危機へ進んだ理由=損失処理の先送り・担保価値の下落・金融機関の収益低下が重なり、信用不安が広がった。 
  • 転機=1997年の相次ぐ破綻で不安が表面化し、1998年には金融再生法など制度整備が進んだ。 

不良債権問題とは?(まず定義の感覚)

ざっくり言うと、不良債権は **「返ってこない(または返ってこない可能性が高い)貸出」**です。
バブル期、銀行は土地や株などの資産価格上昇を背景に、不動産関連などへ大きく貸し込みました。ところがバブル崩壊後、地価・株価が下がり、担保価値も企業体力も落ち、返済が難しい案件が増えていきます。資産デフレ(株・土地の値下がり)が長く続いたことも、背景として整理されています。 


「バブルのツケ」が金融危機につながるまで(流れで理解)

1) バブル崩壊で“担保の世界”がひっくり返る

バブルの最盛期には株や土地で巨額の含み益が生まれていましたが、崩壊が顕在化すると一転して損失が続き、資産デフレが長く継続したことが示されています。 
この資産価格の下落が、銀行と企業の両方に効きます。

  • 企業:資産が目減りし、返済能力が落ちる
  • 銀行:担保価値が落ち、貸出の回収見込みが悪化する

2) 不良債権処理が銀行の利益を食いつぶす

不良債権は、放置しても自然に消えません。
処理(引当金の積み増し、損失計上など)をすると、銀行の利益が削られます。

内閣府の資料でも、バブル崩壊後に銀行収益が低迷し、不良債権処理が利益を圧迫したことが示されています。 
つまり銀行は、「貸したお金が返ってこない」だけでなく、「処理のために体力(利益)も削られる」状態に入りました。


3) 先送りが起きる|“今日の破綻”を避ける動きが、問題を長引かせる

不良債権問題は、単なるバブルの後始末ではなく、構造調整の中で“新規に発生する不良債権”への対処という性格も加わる、と日本銀行は整理しています。 
景気が弱い中で企業の体力が落ち続けると、処理しても処理しても新しい傷が増える感覚になり、結果として「一気に片付ける」ことが難しくなります。


4) 1997年、信用不安が一気に表面化する(金融危機)

そして1997年(平成9年)に、緊張が一気に高まります。
大蔵省の政策史資料では、1997年11月に三洋証券、北海道拓殖銀行、山一證券などが相次いで破綻した流れが整理されています。 
また研究資料でも、1997年11月の連鎖的な破綻を「97年金融危機」として言及しています。 

ここで起きたのは、「銀行が弱っている」という噂が、“お金を貸し借りする市場(インターバンクなど)”の不安にまで波及したこと。
生活者の目線では、これが「金融機関は絶対に安全」という前提を揺らします。


5) 1998年、制度で“止血”をする(金融再生法など)

危機への対応として、1998年10月には重要な法律が成立したことが金融庁の研究資料で整理されています。その一つが **金融再生法(金融機能の再生のための緊急措置に関する法律)**で、破綻処理の枠組みや資産査定の提出義務などを定めた、と説明されています。 

つまりここで、ようやく「危機が起きた時にどう処理するか」のルールが強化され、“不安が連鎖する仕組み”を制度で止めにいった流れになります。


まとめ|不良債権問題は「バブル崩壊の後片付け」ではなく、金融システムの危機だった

不良債権問題は、バブル崩壊で生まれた“返ってこない貸出”が積み上がり、銀行の利益と体力を削り、信用不安が広がった問題です。 
1997年の相次ぐ破綻で危機が表面化し、1998年の金融再生法など制度整備へつながっていきました。 

平成の「不況が日常化した理由」を語るとき、ここは避けて通れません。


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参考文献・資料

  • 日本銀行「不良債権問題の基本的な考え方」(2002) 
  • 財務省 政策史資料(不良債権問題と1997年の破綻の整理) 
  • 金融庁関連資料(1998年の金融再生法など制度の説明) 
  • 内閣府資料(不良債権処理が銀行収益を圧迫した点の整理) 
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