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山一證券破綻とは?“大企業も潰れる”時代が来た理由

1990年代の日本は、「不況だけど、そのうち戻る」という空気がまだ残っていました。
けれど1997年のある日、その前提が崩れます。

山一證券の“自主廃業”――。
それは単なる一社の失敗ではなく、「大企業でも倒れる」ことが現実になった瞬間でした。 

この記事では、山一證券破綻がなぜ起き、なぜ社会にここまで衝撃を与えたのかを、資料に沿って整理します。


目次

1. 山一證券破綻で何が起きたのか

1997年11月24日、山一證券は取締役会で廃業・解散に向けて営業を休止することを決めました。 
世間では「倒産」「破綻」と受け止められましたが、形式としては“自主廃業(自主的に店を閉じる決定)”です。 

このニュースが広がった理由はシンプルで、山一が「街でよく知られた大手」だったからです。
そして、資金繰りと信認(信用)を一気に失うタイプの崩れ方だったからです。 


2. “大企業も潰れる”時代が来た理由

結論から言うと、山一の破綻は「1つの原因」ではありません。
いくつもの要因が重なり、最後に“信用が切れた”ことで崩れました。

理由①:簿外債務(表に出ていない損失)の疑いが決定打になった

日本銀行の資料では、1997年11月後半に巨額の簿外債務が存在する疑いが濃厚になったことが明記されています。 
これが「この会社、大丈夫なのか?」という疑念を一気に強めました。

理由②:損失を隠す行為(いわゆる「とばし」)が、信頼を壊した

証券取引等監視委員会の報告書は、山一で「とばし」と呼ばれる問題が扱われ、虚偽記載などの法令違反が認定されていった経緯を整理しています。 
ポイントは、「損失そのもの」よりも、それを見えない形で先送りしていたことが、最後の信頼を削ったことです。

理由③:市場の信認低下が進み、資金が回らなくなった

日本銀行の資料では、バブル崩壊後の収益悪化に加えて、格付けの動きや不祥事の表面化などで内外市場での信認低下が顕著になっていたと説明されています。 
金融機関や市場は、疑いが強まると一気に資金を引きます。
この「信用の断線」が、企業を倒します。

理由④:1997年は“金融不安の連鎖”が起きていた

1997年11月には、主要金融機関の破綻が相次いだことが知られています(山一のほか、北海道拓殖銀行、三洋証券など)。 
つまり山一は「単独事故」ではなく、不安が連鎖する局面の中心にいました。


3. なぜ山一の破綻は、国民の体感に刺さったのか

理由は3つあります。

  1. 「大手だから安心」が崩れた
    名前の知られた会社でも、信用が切れれば終わる。これが現実になった。 
  2. “隠れていた損失”が出てきた衝撃
    簿外債務や「とばし」が、会社の体力を説明できない形で蝕んでいた。 
  3. 記者会見が象徴になった
    当時の会見では「社員は悪くありません」という趣旨の言葉が強い印象を残した、と振り返られています。 

4. その後、日本は何が変わった?

山一の破綻は、「金融システム不安をどう止めるか」という課題を国民規模で突きつけました。
中央銀行である日本銀行は、信用秩序の維持の観点から、異例の対応(資金融通に関する決定)を行ったことを資料で公表しています。 

ここから先の日本は、金融機関の健全性、不良債権処理、監督のあり方を「先送りできない問題」として抱え続け、制度や監督の枠組みが強化されていくことになります。 


5. ミニ年表

日付出来事ポイント
1997年11月24日山一證券が営業休止を決議廃業・解散に向けた「自主廃業」
1997年11月後半簿外債務の疑いが濃厚に信認が急落し、資金繰りが決定的に
1997年11月(同月)金融機関の破綻が相次ぐ金融不安が連鎖する局面だった

6. まとめ(ジャパレキ3行まとめ)

  • 1997年11月24日、山一證券は自主廃業に向けて営業休止を決めた。 
  • 背景には、簿外債務の疑いと信認低下、そして「とばし」問題などが重なっていた。 
  • 1997年は金融不安が連鎖した年で、山一破綻は「大企業も潰れる」現実を突きつけた。 

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参考文献・資料

  • 日本銀行「山一證券への資金融通のための貸出措置(1997年11月24日議決)」 
  • 証券取引等監視委員会(報告書)「山一証券に係るいわゆる『とばし』事件」 
  • nippon.com「〈1997年の今日〉11月24日 山一証券自主廃業」 
  • 内閣府 経済社会総合研究所(分析資料)不良債権問題・金融危機の論点整理 
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