
ひこまる「ねえ、やたまる。前の記事で『弥生時代はお米をめぐって村同士が戦争してた』って言ってたけど、どうしてそんな昔のことが詳しく分かるの? 当時の日本には、まだ文字なんてなかったんでしょ?」



「カッカッカ!鋭い質問じゃな。その通り、当時の日本人に日記を残す文化はない。じゃが、お隣の超大国・中国(魏)の人が、当時の日本の様子をバッチリ記録してくれていたんじゃよ!」



「えっ、中国の人が!?」



「うむ。中国の歴史書『三国志』の中に含まれる『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』という本じゃ。さあ、今日はこの古い竹のノート(竹簡)を開いて、文字のない時代の日本へタイムスリップじゃ!」
1. えっ、みんな顔に入れ墨!?中国人が驚いた「リアルな倭人」の生態
『魏志倭人伝』には、当時の日本人(中国からは「倭人」と呼ばれていました)の驚きの暮らしぶりが細かくメモされています。



「どれどれ……おっ、ここにはこう書かれておるぞ。『倭人は、大人も子供もみんな顔や体に入れ墨(黥面文身)をしている。お酒が大好きで、長生きする者が多い』とな。」



「ええっ、みんなタトゥーを入れてたの!?ちょっと怖そう……」



「海に潜って魚を捕る時に、大きな魚や魔物から身を守るためのおまじないだったと言われておる。それに、『身分が高い人とすれ違う時は、道端でしゃがみこんで地面に手をついて挨拶する』とも書かれておるぞ。」



「それって、のちの時代の『土下座』や『お辞儀』のルーツかもしれないね!昔から日本人は礼儀正しかったんだなぁ。」
2. 引きこもりの占い師がトップ!?謎の女王「卑弥呼」降臨!
弥生時代の後半、日本列島では「倭国大乱(わこくたいらん)」と呼ばれる男の王様同士の血みどろの戦争が何十年も続いていました。



「その戦争はどうやって終わったの? 一番強くて剣が上手な王様が勝ったの?」



「いや、武力では決着がつかなかったんじゃ。そこでみんなが話し合い、『もう男同士で争うのはやめて、一人の女性をみんなのトップ(共立)にしよう!』と決めた。それが、あの有名な女王・卑弥呼(ひみこ)じゃ!」



「ここでついに卑弥呼の登場だ!でも、どうして女性が選ばれたの?」



「彼女は『鬼道(きどう)』という不思議な占い(呪術)の力で、神様の声を聞くことができたんじゃ。しかも、宮殿の奥深くに引きこもってめったに姿を見せず、実際の政治や連絡係は弟がやっていたそうじゃぞ。」



「超能力を持った引きこもりの女王様!?なんだかミステリアスでかっこいい!」


3. 日本史最大の未解決事件!「邪馬台国はどこだ!?」論争
卑弥呼が治めていた国を「邪馬台国(やまたいこく)」と呼びます。しかし、ここで日本史における「最大のミステリー」が発生します。



「実はな……『魏志倭人伝』の道案内の通りに進むと、なぜか日本の遥か南の海の上にたどり着いてしまうんじゃよ。」



「ええっ!?道案内が間違ってるってこと!?」



「そうじゃ。だから現代の歴史学者たちも、いまだに邪馬台国が日本のどこにあったのか結論を出せておらん。主に『九州説』と『畿内(近畿地方)説』の2つで、ずっと大ゲンカしておるんじゃ。」
- 【九州説】 中国大陸から近い!「吉野ヶ里(よしのがり)遺跡」のような、魏志倭人伝の描写にそっくりな巨大集落跡がある!
- 【畿内説】 奈良県に、卑弥呼の時代に作られた巨大な都市跡「纏向(まきむく)遺跡」がある!



「どっちも証拠があって面白そう!大人になっても夢中になれる謎があるって最高だね!」
4. 三国志の英雄たちと渡り合った!卑弥呼のしたたかな「外交戦略」
卑弥呼は単なる「占いの女性」ではありませんでした。彼女は非常に優れた外交官でもあったのです。



「西暦238年、卑弥呼は危険な海を越えて、中国の『魏』の皇帝に使いを送った。魏といえば、あの三国志の英雄・曹操(そうそう)の息子が作った超大国じゃぞ!」



「すごい行動力!わざわざ挨拶に行ったのはどうして?」



「『世界で一番偉い魏の皇帝に、ワシを日本の王として認めてもらう』ためじゃ。見事、卑弥呼は『親魏倭王(しんぎわおう:魏と仲良しの日本の王)』の称号と金印、そしてお土産に100枚の銅鏡(マジックミラー)をもらって帰ってきたんじゃ。」



「銅鏡100枚!ピカピカ光る鏡を見せたら、日本の他の村の人たちも『卑弥呼様すごい!』ってひれ伏しそうだね。」
結び:女王の死と、巨大な墓の時代へ
謎に包まれた偉大な女王・卑弥呼。彼女は弥生時代の混乱をまとめ上げ、日本を国際社会にデビューさせました。 『魏志倭人伝』には、彼女が亡くなった後、「径百歩(直径約150メートル)」の巨大な塚(お墓)が作られ、多くの人が一緒に葬られたと記されています。



「平等だった縄文の村から、身分差のある弥生の国へ。そして卑弥呼の死をきっかけに、日本はいよいよ『とてつもなく巨大なお墓』で権力を見せつける、さらにスケールの大きな時代へと突入していくぞ!」
【次なる歴史のステージへ】 卑弥呼の巨大な墓を皮切りに、日本列島には空から見ないと全貌がわからないほど巨大な「前方後円墳」が次々と作られ始めます。 いよいよ「ヤマト王権」が誕生する、ド迫力の『古墳時代』へタイムスリップしましょう!
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