ひこまる「お師匠! 前回はスサノオさんが英雄になって終わりましたね。
今回はその子孫のお話ですか?」



「うむ。今回の主役は、オオクニヌシ(大国主)じゃ!
……といっても、最初はオオナムチという名前で、80人の兄たち(八十神・やそがみ)にいじめられる『パシリ』じゃったがな。」



「えっ、主人公なのにパシリスタートですか?
世知辛いですね……。」
1. 婚活バスツアーと、荷物持ちのオオクニヌシ



「ある時、兄の八十神たちは『因幡(いなば)の国に、ヤガミヒメという絶世の美女がいるらしい。みんなでプロポーズしに行こうぜ!』と旅に出た。
オオクニヌシは、兄たち全員の荷物を一人で持たされて、トボトボと一番後ろをついて歩いていたんじゃ。」



「80人分の荷物!? ブラックすぎますよ!
完全にいじめじゃないですか。」



「そんな一行が『気多(けた)の岬』という海岸を通った時、
皮を剥がれて赤裸(あかはだ)になり、泣いているウサギを見つけたんじゃ。」
2. ウサギの失敗と、兄たちの残酷な嘘



「ウサギは隠岐の島から海を渡りたくて、ワニ(サメのこと)を騙したんじゃ。
『僕の仲間と君の仲間、どっちが多いか数えてあげるよ』と言って、サメを一列に並ばせて、その背中をポンポンと跳ねて渡ってきた。」



「賢いですね!
……あ、でも最後になんか余計なこと言っちゃうパターンですか?」



「その通り。『やーい、騙されたな!』と口を滑らせた瞬間、一番端のサメにガブッ!と捕まって、全身の皮を剥ぎ取られてしまったんじゃ。」



「痛たたた!! 自業自得とはいえ、全身の皮って……想像しただけで激痛です!」



「そこへ通りかかった意地悪な兄たちは、泣いているウサギを見てこう言った。
『海水を浴びて、風の吹く高い山の上で寝ていれば治るぞ』とな。」



「えっ、傷口に塩!?
それ、一番やっちゃいけないやつですよね!?」



「ウサギがその通りにすると、塩が傷に染みて、風で皮膚がバリバリに乾いて割れてしまった。
ウサギはあまりの痛さに転げ回って泣き叫んだんじゃ……。」
3. オオクニヌシの優しい治療



「そこに遅れてやってきたのが、荷物持ちのオオクニヌシじゃ。
泣いているウサギを見て『どうしたんだい?』と優しく声をかけた。」



「やっとまともな神様が来た……(涙)」



「事情を聞いたオオクニヌシは、正しい治療法を教えた。
『真水で体を洗い、ガマの穂(植物の花粉)を敷き詰めた上で寝転がるといいよ』と。」



「優しい〜!
今の医療で言うところの『洗浄と保護』ですね。理にかなってます!」
4. ウサギの予言と大逆転



「言われた通りにすると、ウサギの体は元通りフワフワに治った!
喜んだウサギは、オオクニヌシにこう予言したんじゃ。
『意地悪な兄たちは、ヤガミヒメとは結婚できません。袋を背負ったあなたこそが、あのお姫様と結ばれるでしょう』」



「えっ、ウサギさん何者!?
ただの動物じゃなくて、予言者だったんですか?」



「実はこのウサギ、神様の使いだったとも言われておる。
そして予言通り、ヤガミヒメは80人の兄たちをフッて、
『私は、優しくて誠実なオオクニヌシ様と結婚します!』と宣言したんじゃー!」



「やったー! 大逆転勝利ですね!
兄たちの悔しがる顔が目に浮かびます。」
まとめ:次回、兄たちの逆襲が始まる!



「……と、ここでめでたしめでたし、といきたいところなんじゃが。
プライドをズタズタにされた80人の兄たちが、黙っていると思うか?」



「……嫌な予感がします。
80対1ですよ? 袋叩きにされそうですけど。」



「その通り。ここからオオクニヌシは、嫉妬に狂った兄たちから何度も暗殺(殺害)されることになるんじゃ。」



「えっ、殺されるんですか!?
しかも何度も!? 主人公なのに!?」



「次回、『オオクニヌシ、死す! 母の愛とスサノオの試練』じゃ!
生き返るから安心せい!」



死んでしまったオオクニヌシが助けを求めて向かった先は、あのスサノオがいる「根の国」じゃ!



しかもスサノオさんのところへ行くなんて……絶対しごかれますよ、それ!
▼ この物語の続きはこちら
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【第2ステージ/第4話】オオクニヌシ死す!?根の国の試練とスサノオの再登場(次のお話)
兄たちに殺されたオオクニヌシ。蘇るためにスサノオから受けた無理難題とは? -
【第2ステージ/第2話】怪物退治と日本初のプロポーズ!スサノオの逆転劇(前のお話)
最強の怪物VSスサノオ! 奇策で勝利をつかみ取れ! -
【復習】日本神話の全体像(3つのステージ)
「あれ? 今どこの話だっけ?」と迷ったらこちらに戻りましょう。


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