「噴火警戒レベル」と「避難」が噛み合うように“事前に決める場”
火山防災協議会は、火山ごとに、自治体・国の機関・専門家などが集まり、警戒避難体制を整えるための協議をする組織です。法令上も、警戒避難体制の整備に必要な協議を行う協議会(火山防災協議会)を組織する趣旨が定められています。
2014年の御嶽山噴火を踏まえた2015年の法改正で、住民だけでなく登山者等も含めた警戒避難体制の充実が重視され、その柱の一つとして協議会の設置が位置付けられました。
火山防災協議会は「誰が」入る?
基本は、その火山地域に関わる都道府県・市町村が中心です。そこに、国の機関や火山専門家が加わる形で構成されます。
よく入るメンバー(イメージ)
- 都道府県/市町村(防災部局など)
- 気象庁(地元気象台など:観測・情報提供)
- 国の関係機関(例:砂防・道路・公園管理など、火山ごとに関係が変わる)
- 火山専門家(大学・研究機関など)
※協議会は、平常時から「顔の見える関係」を作っておくことが重要だ、と国の指針でも強調されています。
火山防災協議会が「何を決める(合意する)」?
ポイントは、「噴火が起きたら何をするか」を平時に具体化しておくことです。
1) ハザードマップ・噴火シナリオを共同で検討する
協議会は、噴火シナリオや火山ハザードマップの作成・検討などを共同で進める体制だと整理されています。
2) 避難計画を作る(いつ・どこから・誰が・どこへ・どうやって)
気象庁も、地元の火山防災協議会で**避難計画(いつ・どこから誰が・どこへ・どのように避難するか)**を共同検討し、その中で噴火警戒レベルの設定・改善を関係機関が進める、と説明しています。
3) 噴火警戒レベルの「対象地域」や「避難開始の考え方」を事前に合意する
噴火警戒レベルは、平常時のうちに協議会で合意された避難開始時期・避難対象地域の設定に基づき、気象庁が「警戒が必要な範囲」を明示して発表し、自治体が迅速に規制や避難対応を取りやすくする仕組みです。
「有事(噴火が起きた/切迫)」のときは何をする?
協議会は“平時だけ”ではなく、噴火時にも関係機関で情報共有し、対応を調整する場として整理されています。具体的には、次のような調整が想定されています。
- 火山活動に関する情報を共有する
- 「警戒が必要な範囲」の拡大・縮小・解除など、対応のすり合わせをする
- 避難誘導や応急対策で、関係機関の役割分担・調整が必要な事項を合意形成する
逆に「協議会が決めないこと」(ここが誤解されがち)
1) 噴火警報・噴火予報を発表するのは誰?
噴火警戒レベルは、噴火警報・予報に付して気象庁が発表します。
2) 避難指示を出すのは誰?
協議会が“避難指示を出す”のではなく、(一般に)市町村など防災機関が、地域防災計画や事前合意に沿って入山規制・避難指示等の防災対応を行う、という役割分担です。
まとめ|火山防災協議会は「火山ごとの避難を設計する司令室」
- 法改正(2015年)で、火山ごとの警戒避難体制を整えるための協議会設置が位置付けられました。
- 都道府県・市町村・国の関係機関・火山専門家が中心となり、ハザードマップ/噴火シナリオ/避難計画/噴火警戒レベルの対象範囲などを共同で詰めます。
- 噴火警報の発表は気象庁、避難指示などの実行は自治体――その“つなぎ目”を事前に固める組織です。
次に読むなら
- 👉 火山の警戒レベルとは?避難情報はどう決まる?(協議会で決めたことが、どう避難に変わるか)
- 👉 火砕流とは?避難が“起きてから”では間に合いにくい理由(避難計画が必要な理由)
- 👉 火山防災マップとは?ハザードマップと何が違う?(協議会が作る“地図と計画”の全体像)
参考文献・資料
- 内閣府 防災白書(R6特集)火山防災対策・2015年改正の要点(協議会設置等)
- 気象庁:噴火警戒レベルの説明(協議会合意と地域防災計画、運用の関係)
- 内閣府:火山防災マップ作成指針(協議会の構成・平時/有事の役割)
- e-Gov 法令検索:活動火山対策特別措置法(火山防災協議会の規定)
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