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パソコン通信とは?モデムと電話回線で始まった「インターネット前夜」のつながる暮らし

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導入|ネットが当たり前になる前、みんなはどう“つながって”いた?

SNSも、常時接続も、スマホもない。
それでも人は「誰かとつながりたい」と思っていました。

その答えが、パソコン通信です。
電話回線にモデムをつなぎ、番号を“呼び出して”ログインする。画面は文字だけ。でも、そこには確かに「生活の延長としてのネット」がありました。

この記事では、パソコン通信の仕組み・できたこと・独特の文化、そしてインターネットへバトンを渡していく流れまでをまとめます。


3行でわかる結論

  • パソコン通信は、電話回線+モデムで特定のホスト(サービス)に接続し、掲示板・メール・チャット・データ共有を楽しむ仕組み。 
  • “常時つながる”ではなく、必要なときにログインして、文字で交流するのが基本。
  • 1990年代に広がりつつ、やがてインターネット普及と相互接続の進展で役割が移っていった。 

パソコン通信とは?|「番号を押して、別世界に入る」通信

パソコン通信は一言でいうと、特定のサービス(ホスト)に“ダイヤルアップ接続”して入るネットワークです。 

流れはこんな感じ。

  • パソコン(またはワープロ)にモデムをつなぐ
  • 電話回線でホストの番号へ発信(ピー・ガー…の世界)
  • IDとパスワードでログイン
  • 文字中心の画面で、掲示板・会議室・メールなどを使う

インターネットが「広い海」だとしたら、パソコン通信は「それぞれの街(サービス)」に入って遊ぶ感覚でした。


何ができた?|“つながる生活”を作った代表メニュー

パソコン通信で人気だったのは、だいたいこの4つです。

1)掲示板・会議室|同じ趣味の人が集まる場所

今でいうコミュニティ/掲示板/スレッド文化の原型。
NIFTY-Serveでは、テーマ別コミュニティを「フォーラム」と呼び、掲示板・会議室・チャット・データライブラリがまとまっていました。 

2)メール|“同じサービスの人同士”の手紙

当初はサービスごとに独立していて、メールも基本は“同じサービス内”で完結。
その後、相互接続が進み、障壁がゆっくり下がっていきます(例:PC-VANとニフティのメール接続など)。 

3)チャット|文字だけなのに、妙に熱い

リアルタイムの文字会話。
テンポが命で、打つ速さが“強さ”になる世界。

4)データライブラリ|フリーソフトや文書を持ち帰る

プログラム、画像、文章、設定ファイル…。「ダウンロードして持ち帰る」文化がすでにありました。 


代表的なサービス|“街”ごとに空気が違った

大手商用サービスとして知られる例:

  • NIFTY-Serve(ニフティサーブ):1987年4月15日開始 
  • PC-VAN:1986年4月にサービス開始(NEC) 
  • アスキーネット:1985年に実験運用開始、のち有料運用へ 

※この他にも商用・草の根BBSが多数あり、90年代にかけて広がっていきました。 


パソコン通信の“おもしろさ”|文字だけなのに、居場所になる理由

① 速さより、濃さ

今みたいに情報が洪水ではない。
その代わり、1つの話題が深く続く。「ログを読む」だけで面白い。

② ハンドルネーム文化

実名じゃないからこそ話せることがある。
でも無責任ではなく、独特の礼儀と作法が育つ。

③ “シスオペ”という案内人がいた

コミュニティを回す管理者(SYSOP/シスオペ)がいて、場の空気を作っていました。 


インターネット前夜|なぜ“前夜”と呼べるのか

パソコン通信は、今のネット文化の「下地」になった一方で、インターネットとは違う点もはっきりしていました。

  • 接続先は「全世界」ではなく「特定のホスト」
  • 料金も通信環境も、いまより重い(時間を気にして使う)
  • それでも人は、掲示板・メール・データ共有で“生活の延長のつながり”を作った

そして90年代に入ると、インターネットとの相互接続の試みも動き始めます。
JPNICの年表では、WIDEプロジェクトとPC-VAN/NIFTY-Serveの相互接続実験開始が記されています。 


終わりはどう来た?|「消えた」のではなく「役割が移った」

インターネットが普及すると、パソコン通信の強み(閉じた街の居心地)よりも、インターネットの強み(開かれた世界の便利さ)が勝っていきます。

象徴的なのが、NIFTY-Serveのパソコン通信サービスが長い運営ののち終了したこと(2006年3月末)。 

ただし、消えたというより、
掲示板文化、コミュニティ運営、ハンドルネーム、ログを読む楽しさが、形を変えて受け継がれた――そう考えると見え方が変わります。


まとめ|パソコン通信は「ネットの原体験」だった

パソコン通信は、インターネット以前の技術で、すでに“つながる暮らし”を実現していました。 
文字だけの世界なのに、居場所があり、友達ができ、情報が回る。
「ネットってこういうものかも」という感覚は、ここで育った部分が大きいはずです。


次に読むなら(内部リンク案)

  • 👉 インターネットとは?いつ日本に広がった?(※作るならハブにおすすめ)
  • 👉 平成の文化・社会まとめ|暮らし・価値観・流行の変化を一気に(生活の変化として“通信”を置ける)
  • 👉 平成の出来事一覧(通信・IT・携帯・Windows95などへ誘導)

参考文献・資料

  • JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)年表/ニュースレター(相互接続実験など) 
  • Impress Watch(NIFTY-Serve 35周年) 
  • ITmedia / INTERNET Watch(パソコン通信サービス終了関連) 
  • Wikipedia(各サービス概要:ニフティサーブ/パソコン通信/PC-VAN/アスキーネット) 
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