普通選挙法って、そもそも何が変わった法律なのか
普通選挙法(1925年制定)は、
ひと言でいえば
**「選挙に参加できる人を、一気に増やした法律」**です。
それまでの日本では、
政治に参加できるのは限られた人だけでした。
けれどこの法律をきっかけに、
日本は初めて本気で、
「政治は、特別な人だけのものじゃない」
という方向へ舵を切ります。
それまでの選挙は、どんな人のものだったのか
お金がないと、政治に口を出せなかった時代
普通選挙法ができる前、
選挙に参加できたのは、
- 一定額以上の税金を納めている
- 主に裕福な男性
だけでした。
つまり、
- 生活に余裕のある人
- 地位や財産を持つ人
しか、政治に意見を反映できなかったのです。
多くの人にとって政治は、
**「自分とは縁のない世界」**でした。
誰が政治に参加できるようになったのか
25歳以上の男性なら、誰でも投票できるように
普通選挙法によって、
- 25歳以上のすべての男性
に選挙権が与えられました。
お金や身分による条件はなくなり、
選挙に参加できる人は、
- 約300万人 → 約1,200万人
へと、一気に増えます。
これは、
政治が「一部の人のもの」から
「多くの人のもの」へ近づいた瞬間
でした。
※ ただしこの時点では、
女性に選挙権はありません。
なぜ今になって、選挙のしくみを変える必要があったのか
「声を上げれば変わるかもしれない」と人々が感じ始めた
大正時代、日本社会は大きく揺れていました。
- 第一次世界大戦後の不安定な社会
- 生活苦から起きた米騒動
- 労働運動や社会運動の広がり
人々は次第に、
「黙っているだけでは、何も変わらない」
と感じ始めます。
政治の側も、
この空気を無視できなくなっていました。
政党にとって「票」が必要な時代になった
この頃、日本では
政党を中心とした政治が広がっていきます。
政党にとって重要だったのは、
- どれだけ多くの人に支持されるか
- どれだけ多くの票を集められるか
でした。
そのため、
「選挙に参加できる人を増やす」
ことは、
理想だけでなく 現実的な判断でもあったのです。
世界ではすでに「当たり前」になっていた流れ
当時の世界では、
- 民主主義
- 普通選挙
が広がりつつありました。
日本もまた、
「近代国家として、
そろそろこの流れに加わるべきではないか」
という意識を強めていきます。
普通選挙法は、
世界との距離を縮める選択でもありました。
選挙に参加できるようになって、何が変わったのか
政治が、少しだけ身近な話題になった
普通選挙法によって、
- 労働者
- 商人
- 農民
といった人たちも、
政治に参加できるようになります。
人々は、
- 選挙に行く
- 新聞で政治記事を読む
- 政党や政策を気にする
ようになり、
**政治は少しずつ「日常の話題」**になっていきました。
実は、すべてが自由になったわけではなかった
参加は広がったけれど、同時に縛りも強まった
普通選挙法が制定された1925年、
同時に成立した法律があります。
それが 治安維持法 です。
これは、
- 政治に参加できる人を広げる一方で
- 危険とされた思想や運動を取り締まる
というものでした。
つまり当時の政治は、
参加は広げるが、
行きすぎは抑える
という、
少しちぐはぐな姿勢を持っていたのです。
普通選挙法は「完成形」だったのか、それとも途中段階か
答えは、
まだ途中段階でした。
- 女性に選挙権はない
- 思想や言論の自由は制限されている
それでも普通選挙法は、
民主主義へ進むための
大きな一歩
だったことは間違いありません。
普通選挙法が日本に残したもの
普通選挙法は、
- 政治を一部の人のものではなくした
- 多くの人が「政治を考える」きっかけをつくった
- 民主主義の土台を広げた
という意味を持っていました。
同時に、
自由は、簡単に手に入るものではない
という現実も、
日本社会に突きつけます。
まとめ|普通選挙法とは何だったのか
普通選挙法とは、
- 誰が政治に参加できるのかを問い直した法律
- 民主主義への期待と不安が同時に詰まった改革
- そして、次の時代へ続く「出発点」
でした。
この法律によって日本は、
初めて本気で、
「政治は、誰のものなのか」
を考え始めたのです。

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