この記事は、戦国時代をはじめて読む方のための入口ガイドです。
戦国時代の全体像――いつからいつまでか、なぜ始まったのか、どんな人物・出来事があったか、どんな時代に移っていったか――を、ここで一気につかんでください。
まず押さえたいポイント
- 室町幕府の権威が弱まり、各地の武将が自力で国を守り広げた時代
- 下剋上(身分に関係なく実力で上の者を倒せる)が当たり前になった
- 織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の「三英傑」が、分裂した日本を統一へ向かわせた
- 戦いだけでなく、城下町・楽市楽座・南蛮貿易など経済・文化も大きく動いた時代
- ジャパレキでは、広い意味で1467年ごろ〜1615年ごろを戦国時代として扱います
戦国時代とは何か
戦国時代は、室町幕府の権威が低下したあとに広がった、各地の武将が争い続けた時代です。
「戦国」という言葉は、各地の勢力が乱立して争った状態を指します。
ただし、この時代は「戦いだけの時代」ではありません。
城・城下町・家臣団・法律(分国法)・経済(楽市楽座)・外交(南蛮貿易)――新しい秩序を作ろうとする動きが同時に進んでいた時代でもあります。
室町時代の秩序が崩れたあとに何が起きたのか。その流れを、この記事でつかんでいきましょう。
戦国時代はいつからいつまでか
「戦国時代がいつ始まったか・いつ終わったか」は、教科書によって表現が異なります。
ジャパレキでは、次のように整理しています。
| 年 | 出来事 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 1467年 | 応仁の乱 | 戦国時代の事実上の始まり |
| 1493年 | 明応の政変 | 室町幕府の権威が決定的に失われた転換点 |
| 1573年 | 室町幕府の滅亡 | 織田信長が足利義昭を追放 |
| 1590年 | 小田原征伐 | 豊臣秀吉が全国統一を達成。戦国の終わりへ |
| 1600年 | 関ヶ原の戦い | 徳川家康が覇権を確立 |
| 1615年 | 大坂夏の陣 | 豊臣氏が滅亡。戦国時代が完全に幕を閉じる |
ジャパレキでは、戦国時代を広い意味で1467年ごろから1615年ごろまで扱います。
ただし、1590年の小田原征伐以降は「戦国の終わり・江戸時代への移行期」として整理します。
ひこまる1590年で終わりなの?1600年なの?1615年なの?どれが正解?



どれも「正解」じゃよ。1590年に豊臣秀吉が天下統一を達成し、1600年に徳川家康が覇権を確立し、1615年に豊臣氏が完全に滅亡した。この3段階を「戦国の終わり」として一連の流れで見ると理解しやすいぞ。
なぜ戦国時代は始まったのか
戦国時代が始まった直接のきっかけは、応仁の乱(1467〜1477年)です。
この乱をきっかけに、室町幕府の権威は決定的に失われ、全国が争いの時代へ向かいました。
ただし、応仁の乱はきっかけであり、根本的な原因は室町幕府の構造的な弱体化にありました。
- 将軍の権威低下:室町将軍は、守護大名をまとめる力が次第に失われていた
- 守護大名の弱体化:地方に根を張った守護代・国人が力をつけてきた
- 下剋上の広がり:実力さえあれば上の者を倒してのし上がれる風潮が広まった
- 戦国大名の登場:自分の領国を自力で支配する新しいタイプの武将が現れた
なぜ室町幕府はこれほど弱かったのか、室町から戦国への移行は、室町時代から戦国時代へ――なぜ日本は争いの時代に変わったのかでくわしく解説しています。
戦国時代の大きな流れ:時期別まとめ
戦国時代約150年の流れを、4つの時期に分けて整理します。
| 時期 | 代表的な出来事 | ポイント |
|---|---|---|
| 戦国の始まり(1467〜1550年代) | 応仁の乱・明応の政変・北条早雲の台頭 | 室町幕府の力が弱まり、地方の実力者が台頭 |
| 信長の時代(1560〜1582年) | 桶狭間・比叡山焼き討ち・長篠・本能寺の変 | 古い秩序を壊し、天下統一への道を開く |
| 秀吉の時代(1582〜1598年) | 山崎の戦い・小田原征伐・太閤検地・刀狩 | 全国統一を完成し、近世の支配制度を整える |
| 家康の時代(1600〜1615年) | 関ヶ原の戦い・大坂の陣 | 戦国の争いが終わり、江戸時代へ向かう |
戦国大名と下剋上
戦国時代に大きく変わったのが、「力を持つ者」の定義です。
それまでの守護大名は、朝廷や幕府から任命されて国を支配する立場でした。
しかし、戦国時代に台頭した戦国大名は、任命されなくても実力で領国を支配する武将です。
| 守護大名 | 戦国大名 | |
|---|---|---|
| 権力の根拠 | 幕府からの任命 | 実力・実績 |
| 領国支配 | 現地常駐しないことも多い | 自ら領国に根ざして支配 |
| 家臣団 | 緩やかなつながり | 直接支配・知行制 |
| 代表例 | 斯波氏・畠山氏 | 北条早雲・斎藤道三・織田信長 |



北条早雲や斎藤道三って、下から成り上がった人たちだよね?



そうじゃ。「下剋上」の象徴的な人物たちじゃ。身分の低い者が実力で上に立つ――これが戦国時代の根本的な特徴じゃよ。そして実力を維持するには、戦いだけでなく、領国を豊かにする経済力・家臣をまとめる政治力も必要だった。
主要人物への入口
もっと詳しく知りたい人物は、こちらから読み進めてください。
| 人物 | 役割 | 人物記事へ |
|---|---|---|
| 織田信長 | 古い秩序を壊した変革者 | くわしく読む |
| 豊臣秀吉 | 天下統一を完成させた統一者 | くわしく読む |
| 徳川家康 | 戦国を終わらせた安定者 | くわしく読む |
| 明智光秀 | 信長を討った武将 | くわしく読む |
| その他の武将 | 地方大名・軍師・関ヶ原の武将など | 人物一覧を見る |
三英傑で見る戦国時代の流れ
戦国時代の後半を理解するうえで、欠かせない三人がいます。
それが織田信長・豊臣秀吉・徳川家康、いわゆる「三英傑」です。
織田信長|古い秩序を壊し、統一への道を開いた
信長は、桶狭間の戦い(1560年)で今川義元を倒すことで名をあげ、京都へ上洛して実質的な天下人を目指しました。
鉄砲の組織的活用(長篠の戦い)、楽市楽座による経済改革、比叡山焼き討ちなど、旧来の権威と慣習を次々と壊した革命的な人物です。
しかし1582年、本能寺の変で部下の明智光秀に討たれ、志半ばで倒れました。
豊臣秀吉|分裂した日本をまとめた天下人
信長の家臣から出発した秀吉は、本能寺の変の直後に明智光秀を倒して(山崎の戦い)、信長の後継者としての地位を固めました。
その後、四国・九州・小田原(1590年)と次々と平定し、天下統一を達成します。
刀狩令・太閤検地など、近世の秩序の基盤を整えた人物でもあります。豊臣秀吉の出世物語もあわせてご覧ください。
徳川家康|戦国の争いを終わらせた江戸幕府の祖
秀吉の死後、豊臣政権内の対立が深まるなか、家康は関ヶ原の戦い(1600年)で石田三成ら西軍を破り、天下を掌握しました。
1603年に江戸幕府を開き、1615年の大坂夏の陣で豊臣氏を滅ぼすことで、約260年続く平和な時代の基盤を作りました。
主要な合戦・事件で見る戦国時代
戦国時代の流れを変えた主要な合戦・事件を整理します。
- 桶狭間の戦い(1560年):織田信長が大軍の今川義元を奇襲で破った。信長が全国に名乗りを上げた一戦。
- 長篠の戦い(1575年):信長・家康連合軍が武田騎馬隊を鉄砲の集中運用で破った。戦国の戦いの常識が変わった一戦。
- 本能寺の変(1582年):天下統一目前の信長が明智光秀に討たれた。戦国最大の謎が残るクーデター。
- 豊臣秀吉の出世(〜1590年):農民の子が信長の家臣から天下人へ。戦国最大の「下剋上」ストーリー。
- 関ヶ原の戦い(1600年):天下分け目の大決戦。家康の勝利が江戸時代への道を決定づけた。
- 大坂の陣(1614〜1615年):豊臣氏と徳川氏の最後の決戦。真田幸村の奮戦でも知られる。
文化・経済・外交から見る戦国時代
戦国時代は、戦いだけではありません。経済・文化・外交が大きく動いた時代でもあります。
- 鉄砲伝来(1543年):種子島にポルトガル人が持ち込み、戦の様式を一変させた。
- 南蛮貿易:ポルトガル・スペインとの貿易が始まり、火薬・生糸・香辛料が流入した。
- キリスト教の伝来(1549年):フランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸し、各地に広まった。
- 楽市・楽座:信長などが推進した自由な商取引の場。城下町の発展と流通の活性化をうながした。
- 城下町の形成:戦国大名が城を中心に町を整備し、職人・商人・農民が集まる拠点を作った。
- 茶の湯の流行:千利休を中心とした「わびさび」の茶道が武将たちの間で広まった。
- 分国法:各戦国大名が独自に制定した法律。領国を安定して統治するための仕組み。



戦国時代って、戦いのイメージしかなかったけど、こんなに経済や文化も動いてたんだね!



そうじゃ。外から鉄砲・キリスト教・南蛮の文化が入ってきて、内側では城下町・茶の湯・楽市楽座が発展した。戦国時代は「破壊と創造」の時代だったんじゃよ。
戦国時代の終わりと江戸時代への移行
豊臣秀吉が天下を統一したあと、日本は少しずつ「戦の時代」から「安定の時代」へと移っていきます。
1590年に小田原征伐で天下統一を達成した秀吉でしたが、その政権は長続きしませんでした。
秀吉の死後(1598年)、豊臣政権は内部対立を深め、1600年の関ヶ原の戦いで徳川家康が覇権を握ります。
1603年に江戸幕府を開いた家康は、1615年の大坂夏の陣で豊臣氏を滅ぼし、約260年にわたる江戸時代の基盤を固めました。
ここに戦国の争いは完全に幕を閉じます。
江戸時代の全体像は、江戸時代まとめでくわしく解説しています。
まとめ|戦国時代は、日本史にハマる最高の入口
戦国時代は、個性あふれる人物たちが、旧来の秩序を壊しながら新しい日本を作り上げた時代です。
信長が道を開き、秀吉がまとめ、家康が安定させた。
この流れの中で、無数の武将たちが自分の生き方を賭けて戦い、現代まで語り継がれる物語を残しました。
戦国時代が気になったら、ここから好きな記事へ進んでください。
この記事を読んだら次はここへ
まず読む3本
- 戦国時代の出来事一覧――年代順に全出来事を整理
- 短時間で流れだけつかみたい方は、戦国時代の流れをまとめた記事もおすすめです
- 戦国時代の人物一覧――主要武将の役割と関係がわかる
- 室町時代から戦国時代へ――なぜ争いの時代が始まったのかを深掘り
- 守護大名と戦国大名の違い――戦国大名が生まれた理由を理解する
人物から読む
- 織田信長
- 豊臣秀吉
- 徳川家康
- 北条早雲――戦国大名の先駆け
- 武田信玄――「戦国最強」と称された甲斐の虎
- 上杉謙信――義を重んじた越後の龍
- 毛利元就――知略で中国地方を制した謀将
- 明智光秀――本能寺の変の謎を残した武将
- 石田三成――豊臣政権を支えた官僚型武将
- 伊達政宗――独眼竜と呼ばれた奥州の覇者
- 真田幸村――「日本一の兵」と称えられた戦国最後の英雄
- 武田勝頼――信玄の後継者として戦い続けた悲運の武将
- 北条氏康――関東を制した後北条氏全盛期を作った武将
- 今川義元――東海を制し桶狭間の戦いで散った「海道一の弓取り」
- 黒田官兵衛――豊臣秀吉の軍師として天下統一を支えた策士
出来事から読む
- 本能寺の変
- 関ヶ原の戦い
- 桶狭間の戦い――信長が今川義元を討った奇跡の逆転劇
- 川中島の戦い――武田信玄と上杉謙信の五度の激突
- 厳島の戦い――毛利元就が陶晴賢の大軍を奇策で撃破した中国地方の転換点
- 比叡山焼き討ち――信長が宗教勢力に挑んだ断行
- 一向一揆――信長と宗教勢力の対立
- 信長包囲網――各地の大名が信長打倒で連携
- 長篠の戦い――鉄砲が戦術を変えた転換点
- 本能寺の変――信長を討った戦国最大の謎
- 山崎の戦い――秀吉が明智光秀を倒し天下を掌握
- 賤ヶ岳の戦い――秀吉と柴田勝家の後継者争い
- 小牧・長久手の戦い――秀吉と家康が直接対決
- 小田原征伐――秀吉が後北条氏を滅ぼして天下統一完成
- 太閤検地――全国の土地を数値化した統治革命
- 刀狩令――兵農分離を進めた秀吉の制度改革
- 文禄・慶長の役――秀吉の朝鮮半島出兵とその影響
- 関ヶ原の戦い――天下分け目の決戦
- 大坂の陣――豊臣家の滅亡と戦国時代の終焉
次の時代へ進む
- 江戸時代まとめ――戦国の争いが終わり、260年の平和へ
もっと深く学びたい人へ
戦国時代の全体像をつかんだ後、地図や人物関係を整理しながらさらに理解を深めたい方は、『戦乱と政変の室町時代』を紹介した記事もあわせてどうぞ。応仁の乱から戦国時代へと続く背景がつかみやすくなります。
参考資料
- 小和田哲男 監修『地図でスッと頭に入る戦国時代』昭文社、2020年
- 戦国時代(コトバンク)
- 下剋上(コトバンク)
- 戦国大名(コトバンク)


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