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室町時代の争乱を、もっと深く知りたい方へ
室町時代は、日本史の中でも特に「ごちゃごちゃしている」と感じられやすい時代です。将軍が何人も続き、乱や変が次々と起き、誰が誰と戦っているのかわからなくなりやすい。そのため「なんとなく知っている」で止まってしまいがちです。
この記事では、渡邊大門 編『戦乱と政変の室町時代』(柏書房)という参考図書を紹介します。室町時代の12の争乱・政変を、それぞれの専門研究者が1本ずつ論じた書籍です。観応の擾乱から明応の政変まで、「なぜその争乱は起きたのか」を深く知りたい方の参考になる一冊です。
購入を急ぐ必要はありません。まずこの記事で、自分に合う本かどうかを確かめてみてください。
この本はどんな本か
渡邊大門 編『戦乱と政変の室町時代』
| タイトル | 戦乱と政変の室町時代 |
|---|---|
| 編者 | 渡邊大門 |
| 出版社 | 柏書房 |
| 発行年 | 2021年 |
| 扱う時代 | 室町時代(14世紀〜15世紀末) |
| 難易度の目安 | 中級者向け(室町時代の基礎知識があると読みやすい) |
この本は、12の争乱・政変をそれぞれ1章ずつ扱う論文集です。各章を異なる専門研究者が担当しているため、それぞれの争乱を深く掘り下げた内容になっています。編者の渡邊大門氏は室町・戦国時代を専門とする歴史家で、自身も第7章(嘉吉の乱)と第10章(長禄の変)を担当しています。
室町時代を一通り説明する「通史」ではなく、個々の争乱の原因・経緯・意味を深く理解したい方に向いています。
この本で学べること
この本は12章構成で、室町時代の主要な争乱・政変を順を追って扱っています。以下は、各章で扱うテーマの概要です。
この本で扱う争乱・政変
足利尊氏と弟・直義が対立した室町幕府最初の内部分裂。武家政権の土台が問われた争乱です。
足利義満が山名氏の勢力を削ぐために引き起こした争乱。将軍権力の強化を知る上で重要な出来事です。
大内義弘と幕府の対立。義満による守護大名の抑制政策の延長線上に位置する争乱です。
関東管領・上杉氏の内部対立から広がった乱。関東の政治的混乱の始まりを知る章です。
関東における幕府と鎌倉公方の対立が深まった時期の二つの争乱です。
将軍足利義教が赤松満祐に暗殺された事件。将軍権力の急速な衰退を象徴する出来事です。
応仁の乱の前夜ともいえる時期の政変・争乱群。各地の対立が複雑に絡み合っていきます。
室町時代最大の内乱。細川氏・山名氏の対立が全国的な動乱へと拡大した、戦国時代の入口です。
管領・細川政元が将軍を廃立した政変。「下剋上の時代」の本格的な幕開けを示す出来事です。
いずれの章も、「なぜその争乱が起きたのか」という背景・原因の分析が中心です。単に出来事を並べるのではなく、各争乱の構造的な理由を読み解いていく内容になっています。
ひこまるお師匠!室町時代ってなんでこんなに戦ばかりなんですか?覚えるのも大変で……。



そこが大事なんじゃ、ひこまる。室町時代の争乱は、ただ「誰かが誰かと戦った」のではなく、将軍の力が弱まったときに守護大名や有力者がそれぞれ動き出す、というパターンで繰り返されるのじゃ。この本は、その一つ一つに「なぜ起きたのか」という答えを丁寧に示してくれるぞ。



つまり、争乱のたびに「将軍の力が弱い」という根本的な問題があったんですね!



そうじゃ。それを12の争乱から見ていくのが、この本の面白いところじゃな。一つ読めば、他の争乱への見方も変わってくるぞ。
ジャパレキ読者におすすめできる理由
ジャパレキは「なぜそうしたのか」「どんな精神・生き方・考え方があったのか」を重視しています。この本もその方向性に重なります。各論文は「なぜその争乱が起きたか」の背景・構造を丁寧に論じており、出来事の流れをただ追うのではなく、動機・判断・権力構造を読み解く内容になっています。
また、12章が独立した論文として構成されているため、気になる争乱の章だけを選んで読むこともできます。「観応の擾乱を深く知りたい」「応仁の乱の背景を整理したい」という場合、その章だけを読んで参考にする使い方が可能です。
どんな人に向いているか
- ✓ 室町時代の全体的な流れは知っているが、個々の争乱の背景を深く知りたい方
- ✓ 観応の擾乱・応仁の乱・明応の政変など、特定の出来事を本格的に調べたい方
- ✓ 大学受験・資格取得などではなく、純粋に歴史を深く知ることを楽しんでいる方
- ✓ ジャパレキの室町時代の記事を読んで、さらに深掘りしたい方
少し難しい点
正直に書くと、この本は室町時代をはじめて学ぶ方には少し難しいかもしれません。
各章が専門研究者による論文形式のため、室町時代の人物関係や幕府の構造をある程度知っていることを前提に書かれています。「足利尊氏と直義の関係」「守護大名と幕府の力関係」「関東管領とは何か」といった基礎知識がないと、読んでいて迷子になる場面が出てくるかもしれません。
また、12章の著者がそれぞれ異なるため、章によって論の進め方や詳しさに差があります。全体を通して一つの物語として読む、というよりは、個々の争乱を個別に研究した論文を集めた本、という読み方が合っています。



お師匠、この本って室町時代をほとんど知らない僕でも読めますか?



正直に言うとな、ひこまる。ある程度の基礎知識があった方が、はるかに楽しめるぞ。まずはジャパレキの室町時代まとめで全体の流れをつかんでから、気になる争乱の章を読む、という使い方が合っておるじゃろうな。



なるほど!ジャパレキ→この本、という順番で使えばいいんですね。



そうじゃ。「全体の流れはわかったが、この争乱だけもっと深く知りたい」というときに、この本を開くと、なるほどと感じる発見が多いはずじゃ。
ジャパレキの記事と一緒に読むなら
この本を読む前に、ジャパレキの以下の記事で室町時代の流れを把握しておくと、読みやすくなります。
📖 先に読んでおくとよい記事
- → 室町時代まとめ:将軍の交替・守護大名の台頭・応仁の乱への流れを整理した記事です。この本を読む前の地図として活用できます。
この本の使い方
この本は、12章すべてを最初から順番に読む必要はありません。気になる争乱の章だけを選んで読む使い方が合っています。
たとえば「応仁の乱だけ深く知りたい」なら第11章から始める。「観応の擾乱と応仁の乱の関係を追いたい」なら第1章→第11章という順番で読む。そういった、自分のテーマに合わせた読み方ができる本です。
ジャパレキの記事で室町時代のある出来事が気になったとき、この本で対応する章を開く、という「調べ物の参考書」としての使い方もできます。
室町時代を深く学びたい方はこちら
室町時代の争乱や政変を本格的に学びたい方は、参考図書として手元に置いておくと便利です。
まとめ
- 1 室町時代の12の争乱・政変を、各分野の専門研究者が「なぜ起きたか」から論じた論文集です。
- 2 室町時代の基礎を知った上で読む本。気になる章だけを選ぶ使い方も合っています。
- 3 ジャパレキの室町時代まとめと組み合わせることで、「全体の流れ→個別の深掘り」という学び方ができます。
参考資料・参考図書
渡邊大門 編『戦乱と政変の室町時代』柏書房, 2021年
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