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教育勅語には何が書かれている?十二の徳目をわかりやすく解説

教育勅語に書かれた十二の徳目を解説するアイキャッチ画像
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教育勅語は、父母への孝行、兄弟姉妹の友愛、夫婦の調和、友人との信頼、学問と仕事、公益への貢献などを説き、最後に法令の尊重と非常時の国家への奉仕を求めています。日常の徳目と天皇・国家への責任が一つの文章に置かれている点が重要です。

目次

教育勅語を歴史から考える|全10回シリーズ

現在のページ 第6回|教育勅語には何が書かれている?十二の徳目をわかりやすく解説
全10回の目次から選ぶ
  1. 概要教育勅語とは?学校が天皇と国民を結びつけた仕組み
  2. 第2回教育勅語はなぜ作られた?明治日本が求めた道徳教育
  3. 第3回教育勅語はどのように作られた?起草から発布までの流れ
  4. 第4回井上毅とは?教育勅語の起草に込めた思想
  5. 第5回元田永孚とは?明治天皇の教育思想を支えた儒学者
  6. 第6回教育勅語には何が書かれている?十二の徳目をわかりやすく解説
  7. 第7回教育勅語はなぜ失効した?戦前の運用と1948年の国会決議
  8. 第8回教育勅語は命令ではなかった?起草時の配慮と学校教育での位置づけ
  9. 第9回教育勅語は儒教道徳だったのか?井上毅と元田永孚の思想
  10. 第10回教育勅語の光と影|成立理念と学校での運用を分けて考える

この記事でわかること

  • 教育勅語の全体構造
  • 一般に「十二の徳目」と呼ばれる内容
  • 「国体の精華」と「中外ニ施シテ悖ラス」の意味
  • 現代的な徳目だけを切り取れない理由

教育勅語は三つの部分からできている

教育勅語の本文は315字ほどの短い文章です。内容は、大きく三つに分けて理解できます。

  1. 皇祖皇宗と臣民の歩みを語る導入
  2. 国民が守るべき具体的な徳目
  3. その教えを祖先から受け継ぐ普遍的な道として位置づける結び

親孝行などの徳目だけではなく、それらを天皇を中心とする国家の歴史へ結びつけていることが、教育勅語の特徴です。

一般に「十二の徳目」と呼ばれる教え

徳目本文の言葉意味
孝行父母ニ孝ニ父母を大切にする
友愛兄弟ニ友ニ兄弟姉妹が助け合う
夫婦の和夫婦相和シ夫婦が互いに協力する
朋友の信朋友相信シ友人同士が信頼し合う
謙遜恭倹己レヲ持シ慎み深く自分を律する
博愛博愛衆ニ及ホシ広く人々を思いやる
修学習業学ヲ修メ業ヲ習ヒ学問と仕事に励む
智能啓発智能ヲ啓発シ知識と能力を伸ばす
徳器成就徳器ヲ成就シ人格を磨く
公益世務公益ヲ広メ世務ヲ開キ社会のために働く
遵法国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ憲法と法律を尊重する
義勇奉公義勇公ニ奉シ非常時に公のために尽くす

「十二」という分け方は後世の解説で整理されたものです。本文自体が番号を振って十二項目を列挙しているわけではなく、分け方によって数が変わる場合があります。

儒教の「五倫」とは並びが違う

教育勅語の徳目は、儒教の基本的な人間関係論である「五倫」(父子・君臣・夫婦・長幼・朋友の関係にそれぞれ徳を説く考え方)と似ているとよく言われます。ただし、両者を並べると、無視できない違いがあります。

儒教「五倫」教育勅語の対応箇所
君臣に義あり(該当する項目がない)
父子に親あり父母ニ孝ニ
夫婦に別あり夫婦相和シ
長幼に序あり兄弟ニ友ニ
朋友に信あり朋友相信シ

儒教で最も重視される「君臣に義あり」に相当する項目が、教育勅語には見当たりません。かわりに文章の冒頭と末尾には、天皇の徳による統治と、それに国民が心を一つにして応えるという構成が置かれています。この違いをどう評価するかは論者によって分かれますが、「教育勅語は儒教の単純な焼き直しではない」という見方の根拠の一つとして押さえておきたい点です。

ひこまる

親孝行や友達を信じることなら、今にも通じるよね?

やたまる

個々の言葉は理解しやすいのじゃ。ただし、文書全体の中で何につながるかまで読むことが大切なのじゃよ。

家族から社会へ徳目が広がっていく

徳目の並びには流れがあります。最初は父母、兄弟姉妹、夫婦、友人という身近な人間関係です。そこから、自分を律すること、広く人を愛すること、学問と仕事、社会への貢献へ広がります。

教育勅語は、家庭内の道徳と公共的な責任を別々のものとは考えませんでした。身近な関係で培った徳を、社会と国家を支える行動につなげる構成です。

「一旦緩急アレハ」は何を求めたのか

「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」は、国家に重大な事態が起きたとき、勇気をもって公のために尽くすことを求める部分です。続く「天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」は、永遠に続く皇室の運命を助け支えるよう求めます。

この部分は、単なる災害時の助け合いだけを意味するものではありません。天皇を中心とする国家への奉仕が明記されており、戦時期には国家への自己犠牲と結びつけて教えられました。

「国体の精華」とは何か

冒頭の「国体の精華」は、皇祖皇宗が国を始めて徳を築き、臣民が忠と孝を尽くして心を一つにしてきたことを、日本の国家の優れた本質として示す言葉です。

つまり、教育勅語の徳目は、すべての人に等しく開かれた個人倫理としてだけではなく、天皇と臣民の歴史的関係を土台に置いています。現代の国民主権とは異なる国家観です。

「中外ニ施シテ悖ラス」とは何か

結びの「之ヲ中外ニ施シテ悖ラス」は、この道を国内外に行っても道理に背かない、という趣旨です。起草者は、教育勅語の教えを日本だけに通用する狭い慣習ではなく、広く通用する道徳として示そうとしました。

一方で、文章全体は日本の皇室と臣民の関係を出発点にしています。「普遍的な徳目」と「日本固有の国家観」がどのように結びついているかが、評価の分かれる点です。

ひこまる

徳目だけを抜き出せば、教育勅語の意味が分かるわけじゃないんだね。

やたまる

そうじゃ。言葉の前後と、どんな国家観の中に置かれているかを一緒に読むのじゃよ。

現代語訳では価値判断を混ぜない

教育勅語を現代語で説明するとき、「義勇公ニ奉シ」を単に「社会のために働く」と柔らかく訳したり、反対に「戦争で死ぬことを命じた」とだけ訳したりすると、原文の幅と歴史的文脈が失われます。

まず原文が何を述べているかを確認し、その後、学校でどう解釈・運用されたかを別に説明することが大切です。

ひこまる

ここまでの話で、出来事の背景と後の影響を分けて見ることが大切だと分かったよ。

やたまる

歴史は一つの言葉だけで決めつけず、いつ、誰が、どのように考え使ったのかを確かめるのじゃ。

十二の徳目をどう読めばよいのか

教育勅語には、家族や友人を大切にし、学問や仕事に励み、社会へ貢献する教えが並びます。同時に、それらは天皇を中心とする国家を支える臣民の道としてまとめられています。

教育勅語の成立と学校での扱いは、教育勅語とは?学校が天皇と国民を結びつけた仕組みで解説しています。

参考資料・参考図書

教育勅語を歴史から考える|全10回シリーズ

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  1. 概要教育勅語とは?学校が天皇と国民を結びつけた仕組み
  2. 第2回教育勅語はなぜ作られた?明治日本が求めた道徳教育
  3. 第3回教育勅語はどのように作られた?起草から発布までの流れ
  4. 第4回井上毅とは?教育勅語の起草に込めた思想
  5. 第5回元田永孚とは?明治天皇の教育思想を支えた儒学者
  6. 第6回教育勅語には何が書かれている?十二の徳目をわかりやすく解説
  7. 第7回教育勅語はなぜ失効した?戦前の運用と1948年の国会決議
  8. 第8回教育勅語は命令ではなかった?起草時の配慮と学校教育での位置づけ
  9. 第9回教育勅語は儒教道徳だったのか?井上毅と元田永孚の思想
  10. 第10回教育勅語の光と影|成立理念と学校での運用を分けて考える
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